平飼いの卵 つまんでご卵

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飼料

緑の農園オリジナル飼料2
緑の農園オリジナル飼料

・緑の農園の飼料に関して

緑の農園では

『環境8割エサ2割』

を信条につまんでご卵の生産を行っています。
(信条については下記参照)

飼料を一からすべて混ぜ合わせるのはとても大変なので、7割ほどの飼料は、飼料会社さんに混ぜてもらい、配合飼料という形で納品してもらっています。

シーズンごとに、農場長と飼料会社の担当者の方で話し合いをし、緑の農園にベストな飼料のレシピを作成します。

主な飼料

①飼料米

飼料米とは、名前の通りお米です。人間が食すには向かない高蛋白質なお米(炊くとぼそぼそ)を、家畜の飼料用として育種しています。
現状完全な飼料専用品種ではありませんが、酒米や多収米などが飼料米として使われています。

飼料米
飼料米は家畜専用のお米

飼料米は単価が安い代わりに、生産すると補助金が出ます。そうすると、転売や転用の恐れが出てしまうため、管理がたいへん厳しくされています。

飼料米袋
この(飼)と印字がされているお米は飼料以外の用途で使用してはならない

緑の農園では、主穀物の75%を飼料米に置き換えることに成功しました。従来の遺伝子組み換えでは無いトウモロコシ(non-GMOトウモロコシ)も一部入っていますが、その割合はとても少なく、今や日本でもトップクラスの飼料米給餌を実現しています。

現在は福岡県行橋産の飼料米と、つまんでご卵糸島ロールの小麦粉を作ってくれている中島秀虎さんの飼料米をブレンドしています。

②カキ殻

いわゆる「オイスターシェル」。海のミルクと言われる牡蠣の殻です。
カキ殻は卵の卵殻を作るのに必須の「炭酸カルシウム」の供給に役立っています。
本当は糸島のカキ殻を使いたいですが、まだまだ設備が整っていないので、緑の農園では広島県産を使用しています。

カキ殻
卵の殻のもととなるカルシウム源

カルシウムだけでは殻は作られません。そこにリン酸カルシウム(P)とビタミンDが必要です。ビタミンDは日光を浴びることで体内で生産されます日向ぼっこも重要なんですね。

③プレミックス

プレミックス
微量ミネラル等を乾草の粉末と合わせて混ぜ合わせる

プレミックスは、名前の通り「プレ(事前に)ミックス(混ぜた)」飼料で、微量ミネラルやビタミン、その他自然由来の資材が入っています。パウダー状なので、そのままエサ混ぜすると均一に混ざらない可能性があるので、いったん乾草粉末と合わせて、カサを増してからエサ混ぜ機に投入します。

④塩

塩も重要な飼料原料になります。与えすぎてもいけませんが、夏場の熱い時期にはニワトリも脱水症状になりかねませんので、適量混ぜ込みます。

⑤ランレッド

ランレッド
卵の赤色の元

ランレッドはパプリカの色素を抽出したものです。
緑の農園では、自信をもってランレッドを入れています、とお客様にお伝えしています。
それは、卵を割った時に色の濃い卵黄が美味しく見えるから、というのが理由の一つ。中には「色なんかつけちゃってまぁ!」と言われる方もいますが、美味しく見えるというのも食卓を彩る上では重要と考えています。
また、なんだか悪者にされがちなランレッドですが、ニワトリのお腹を整える「整腸作用」もあるようです。こういった理由から、緑の農園はランレッドを使用しています。

これらのエサを撹拌機で混ぜ合わせ、緑の農園オリジナル飼料は完成します!!

緑の農園オリジナル飼料
7割を飼料会社に作成してもらい、残りを混ぜ合わせオリジナル飼料を作成

環境8割エサ2割について

これは現会長が、つまんでご卵生産においてたどり着いた境地です。
様々な養鶏家が「エサ」または「飼料」でじぶんのところの卵をPRされます。

しかし、緑の農園では環境(飼育方法)こそ、飼料の品質に影響を及ぼすと考えています。

現会長が養鶏を始めたきっかけの一つは、自身の病気(慢性腎不全)の発症でした。体がきつく、仕事をバリバリすることができませんでした。
飼料も配合ができず、出来合いの一番安い袋エサを使わざるえなかったようです。

ただ、その頃から、「早瀬さんの卵は美味しい」と評判になってくれました。
他の養鶏場との大きな違いは、「飼い方が平飼いで、ストレスを少なくすること」でした。
そういった経験から、環境の占めるとことがおおきいと考えています。

しかし飼料が不要なわけではありません。飼料も厳選した原料・資材を使うことで、他の平飼いには無い味を実現しているのです。

飼料米への想い・実践

緑の農園では、創業から長く飼料米を使って卵の生産をしたいという想いがありました。

というのも、現在日本の畜産における飼料自給率はほぼ無いと言ってもいいぐらい低い状況です。
緑の農園でも、数年前までは自信をもって国産といえる飼料はカキ殻ぐらいでした。

日本で畜産を続けていく中で、飼料の海外依存はひとつ懸念事項でした。国家間の取り決め・外交問題・貿易と、日本国内に飼料の供給が止まることは無いと思います。

しかし、国産の鶏卵の自給率は95%を超えています。日本の卵は生食を想定して生産しているので、各国にくらべ、食中毒のリスクはそうとう少なくなっています。

そんな卵が、実は海外の飼料に依存しているという現状が、モデルとして長期的に継続していけるかという部分は、畜産家は考えていかなければなりません。

そこで、緑の農園は「飼料米」に着目しました。近隣の農家さんに話を持ち掛けたり、現社長(2代目早瀬憲一)は大学の専攻として飼料米を選択しました。

それがだいたい2010年頃でした。しかし現実は、まだまだ世の中に飼料米の生産・供給のインフラは整っていない状況でした。

2010年緑の農園には約6500羽のニワトリがいました。鶏群の入れ替えもあるので、年間平均羽数は5000羽と仮定します。
1羽あたり日に60gほどの主要穀物が必要なので、

60g × 5000羽 ÷ 1000(キロ換算)
=300キロ/1日

390キロ × 365日 ÷1000(トン換算)
= 109.5トン/年

平均して、年間約110トンの穀物が必要です。

何より難しいのは保管と品種の確立でした。


100トンのお米が取れても、それを保管する場所も無く、借りるにしても賃料の方が高くつきます。これを緑の農園が単一で賄うことは困難でした。

品種に関しても、早瀬憲一が東京農業大学農学部畜産学科畜産マネジメント研究室にて、信岡誠治准教授(当時、外部リンクに接続)の元、飼料米給餌に関わる研究をしていましたが、品種の選定は非常に困難でした。

飼料米に求められる特性は
①多収性
②高タンパク質
③雑管理
です。

簡単にいえば、植えれば手間が掛からずにいっぱい収穫できて、かつ高タンパク(=アミノ酸含有量多、食味不適)であることです。

当時、ベコアオバやふくひびきといった品種は出てきていましたが、まだまだ理論値(収量・栄養価)に近い数値の出る生産方法が確立しておらず、飼料米を生産しようという農家さんも研究目的ではほぼ皆無でした。

そのような問題点があり、緑の農園ではすぐに飼料米への転換をおこなうことはできませんでした。

しかし、2014年頃、長くこの想いを発信し続けたことで、飼料会社が動いてくれました。

飼料会社とJAが契約し、飼料米の安定生産・供給のルートを作ってくれたのです。

それにより、配合飼料中(飼料会社が製造)の飼料用米含有量を、テストを兼ねて徐々に増やしていくことができました。

そして、2016年冬には、配合飼料中の飼料米割合が50%に到達、飼料中全穀物の70%を超える含有率を実現しました

飼料会社に言わせると日本でもトップクラスの給餌率だそうです。

本来それを売りにしてもよいのかもしれませんが、上記の信岡誠治助教授が仰った言葉に感銘をうけ、緑の農園ではあえて飼料米を前面に押し出すことはしていません。以下がその言葉です。

「今後、飼料米をスタンダードにしていくならば、飼料米ありきのブランディングをしていてはダメだ。そこをセールスポイントにしてしまうと、飼料米の普及の妨げになる。飼料米は特別なものではない、飼料米生産農家にとっても、畜産家にとっても、飼料米以外の部分で消費者に自身の生産物を魅せようじゃないか。」

お客様へいいものを届けることを、ニワトリの環境を整えていく、これらを意識して生産をしていきます。

飼料について
(現会長の創業からの想い)

ニワトリの飼料について、当農場の考えを述べます。
(これらの文章は、2008年に現会長がHP作成時に作りました。)

〈現状〉

 ニワトリの飼料も、人の食事とおなじで、主にカロリー源である主食と、蛋白源である副食から成り立ちます。
一般的なニワトリの主食はトウモロコシで、カロリーの多くの部分を供給しています。もちろん蛋白質も含まれていますが、その質は良いものとはいえず、不足するアミノ酸(20種類のアミノ酸の組み合わせで体を作る蛋白質は構成される)を他の飼料で補ってやらねばなりません。また、黄身に黄色い色をつける、という栄養素以外の大切な役割も担っています。
当社ではnon-GMO(遺伝子組み換えでない)のトウモロコシを使用しています。

 副食の大きな部分は、大豆粕です。大豆粕は別名脱脂大豆とも呼ばれ、人間の食用に油を絞った後の大豆です。油をとった分カロリーは減っていますが、蛋白質をはじめとする他の成分は、丸々残っており、ニワトリにとって大事な蛋白源飼料となっています。
大豆に不足しがちなアミノ酸 を、魚粉(イワシやスケトウダラの乾燥粉末)で補う養鶏場も多いのですが、当農場では使用していません(巷では「植物性飼料」といっています)。
当社ではnon-GMO(遺伝子組み換えでない)大豆を使用しています。

 このほか不足しがちなビタミンや、ミネラルも加えています。ミネラルの原料は、海底に堆積した岩石を粉末にしたもので、海水のミネラル等がそのまま含まれています。塩もわずかですが、必要な量を加えています。

 あと、大切なのはカルシウムです。炭酸カルシウムはニワトリの骨や卵殻の主成分にあたります。当農場では、主に牡蠣殻(カキガラ)を使用していますが、多くの養鶏場では同じ成分である石灰岩を使っているようです。

 以上でニワトリが健康に暮らし、1羽が年に300個も産卵するための飼料は完成ですが、私どもにとってはそれではまだ満足できません。
生まれた卵を「つまんでご卵」にしなければならないからです。
卵の質は、8割は飼育環境で決まる、と私どもでは考えています。環境が一番大事な要素なのですが、残りの2割は飼料です。
私どもが黄身の色を整える目的で使用しているのは、パプリカの粉末とその抽出物です。パプリカの「赤色」を加えることで、トウモロコシに含まれている「黄色」と合わさって、あの燦然と輝く「オレンジ色」が発現するのです。
なぜわざわざオレンジの黄身にしなければならないのか、など私の思い入れについては、九州大学の佐藤剛志先生と私の共著である「金の卵」(築地書館・1600円)をご参照ください。
そのほかに「つまんでご卵」の質や味を良くするための微量要素として、何種類かの「自然農業」に使われる資材を使っていますが、これは企業秘密に属します。

 ちかごろ「つまんでご卵を作るのに、何か薬を使っているのではないか」というようなうわさが流れているようで、私どもの耳にも時折聞こえてきます。そうでなければ、あのように摘めるほどの品質にはならないはずだ、というのです。
いうまでもなく、つまんでご卵を産むニワトリたちには、飼料以外のものは、いっさい食べさせていません(ミミズなんかは勝手に食べているようですが)。
当社が平成元年にはじめて農場を拓いたとき、まだエサを混ぜる機械がなかったので、JAの市販の飼料を使っていました。いわゆる「完配」というやつです。そんな既成のエサでも、平飼いのニワトリは、評判になるほどの卵を産んでくれました。当時はまだ黄身を摘んではいませんでしたが、試みたならきっと摘むことが出来たはずです。私にはそのとき、はっきりと分かったのです。
「卵の品質はエサで決まるのではない。環境で決まるのだ」と。

〈理想〉〈近い将来〉

 現在、牛・豚・ニワトリすべての家畜用の飼料は、ほぼ100%輸入に頼っています。干草はもちろん、藁(わら)まで輸入しています。ただ、日本で口蹄疫が発生した折、北朝鮮から入ってきた藁にウイルスがついていたのではないか、と疑われたこともあり、現在〈平成24年〉では藁は燻蒸処理した中国産のみ輸入されています。

 現在の状態は、一見日本で肉や卵などの畜産物が生産されているように見えますが、その実態は「輸入」されているのと同じことです。つまり、日本の畜産は薄氷の上に立っているような、非常に脆弱なものだというほかありません。
しかも地球は近ごろ、進行する温暖化の影響なのか、大規模な異変が相次いでいます。オーストラリアなど、今後も安定した食料の生産基地としてやっていけるのか、心配になるほどです。気象はこれから、ますます荒れ狂うことでしょう。
こんな時代に、日本は大事な食糧を他国に依存していて良いのか、考えさせられますね。世界的に見ると、食料が回ってこない国や地域が、まだまだあるようです。私たちは、そんな人たちから、食料を奪いとっているのではありませんか?それも家畜の飼料用に。

 それでは輸入に頼りきっている家畜用飼料の代わりを、私たちは見つけることが出来るのでしょうか。国産で飼料をまかなう。そんな夢のような方法があるのでしょうか。
あるのです。
そしてそれは、特別な方法ではありません。
田んぼで作るのです。しかも、その作物は「米」です。
毎年のように日本人一人当たりの米の消費量が、減ってきています。米の生産者価格も下がり続けている影響も加わり、全国的に遊休田が増えています。この田んぼを利用して、飼料用の米を作るのです。

 ある学者は、遊休田で現在の畜産生産量の80%がまかなえる、と計算しています。
もっともトウモロコシを米に100%置き換えられるのはニワトリだけで、豚や牛の場合、3~4割しか置き換えられないそうですが。全部米に換えることが出来ない理由は、米を多くすると、生産される肉の脂肪が、現行の品質基準(規格)からみて低いものになるからなのだそうです。

 もし、今日本人が消費している畜産物の80%もが、田んぼで出来る米でまかなえるとしたら、すごいことになります。
なんといっても、現在ある農地(田んぼ)で、主食と副食〈動物性蛋白質)が自給できてしまうのですから。これで、食糧安保の問題が解決してしまうではありませんか。
優れた技術であらゆる製品・資材を作ることの出来る日本が、食糧まで自給してしまうのですから。もう、怖いものなどありませんね。

 ただ、この方法を実行するためには、国民的なコンセンサスを得なければなりません。今まで、飼料を輸入に頼っていたのは、価格が安いからにほかなりません。飼料米を、安い輸入トウモロコシの価格で畜産家に供給するには、田んぼ1反歩あたり8万円ほど補助金をつけなければなりません。その制度を、多くの国民が「いいね」と認めてくれなければ、成り立たないのです。

 アメリカにしてもEUにしても、農業に巨額の補助金を出しています。そうしなければ、先進国の農業は、開発途上国に価格で勝てないから、です。要は、補助金をいかに有効に活用するかです。

 さあ、どうしますか。どうせ出さなければならない補助金を、田んぼに回しますか。それとも、安い飼料をこれからも輸入し続けますか。それとも、いっそのこと安価な畜産物を輸入して済ませますか、シンガポールやブルネイや中東の諸国のように。
でもそうすれば、経済的ではあるでしょうが、確実に国土が荒れてしまうでしょうね。田んぼが激減すれば、日本や日本人を成り立たせている「風土」も変わってしまうかもしれません。

 多くの国では、「農業」は 「自然」と対立する概念になっています。つまり農業は自然を壊すことで成り立つ、という考え方なのです。それに反し、わが日本では、「農業」は「自然」の一部であるとみなす考えが一般に見られます。農家のおじさんがインタビューを受けて農地を指差し「ほら、こんな自然がいっぱい・・・」といっているのを聞いて私は確信しましたね。日本人の中では、農業や農地は自然の一部なんだと。

 そんな農業の中でも、保水など重要な役目も担っているのが、日本の田んぼです。
消費者であるみなさんも、飼料米制度の話が出たときには、ぜひ私どもの後押しをしていただくようお願いいたします。

※この項のポイント:

1、田んぼでカロリーと蛋白質が自給できること
2、日本の自然や風土が守れること

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